株取引の参考になる?外国人投資家とは 株取引の参考になる?外国人投資家とは

株取引の参考になる?外国人投資家とは

外国人投資家は日本の株式市場のメインプレイヤー

株式のニュースで、「外国人投資家の買い・売り」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
外国人投資家というのは、海外に住んでいる個人や海外の企業、ヘッジファンド、機関投資家など、団体の投資家のことをいいます。例えば、アメリカのカリフォルニア州の年金を運用する機関である年金基金などもその一つです。日本でいうと、皆さんが加入している国民年金。これもお金を預かっているだけではなく年金基金を通して日本や海外の株式・債券などで運用をしています。これの海外版と思っていただければよいですね。
実は日本の株式市場での取引金額は、日本の投資家よりも外国人投資家のほうが多く、なんと売買取引額の6~7割と半数以上を占めています。当然のことながら、この動きは日本の株式市場に大きな影響をもたらします。実際の取引金額を見てみましょう。

日本の個人投資家の動きとの関連は?

下記の表は約1週間で各投資家がどのくらいの株式を売買しているかの金額を表したものです。需要と供給は株価を動かす要因ですので、この外国人投資家の動向は非常に注目されます。

※各投資家の動きは、日本取引所グループのHPにて毎週更新されています。

<投資部門別 株式売買状況 東証第1部[金額]>

投資部門別 株式売買状況 東証第1部[金額]

※日本取引所グループ 投資部門別 株式売買状況をもとに筆者が作成

表には「差し引き」という欄がありますが、これは買いから売りを引いた額が示されており、この差引額がプラスなら「買い越し」、マイナスなら「売り越し」ということになります。
日本の個人投資家がいくら買っていても大きな比率を占める外国人投資家が「売り越し」だと日本株は下がり、逆に個人がいくら売っていても外国人投資家が「買い越し」だと日本株は上がります。

実際、2020年の年末(11月・12月)には外国人投資家がかなり「買い越し」をしており、日本株の大急騰に貢献しました。一方で日本の個人投資家は少し上がると利益を確定させるために売ってしまう傾向があり、11月・12月ともに「売り越し」でした。新型コロナウイルス感染症のワクチン供給により世界経済が正常化していくことを見越して日本株を買い進めている外国人投資家とは逆の動きをしています。

このように、日本株式のメインプレイヤーである外国人投資家の動きを読み解くことで、大きなトレンドや相場動向を見通す手がかりにして、投資の参考にすることができます。また、東証の発表する「投資部門別売買動向」は前週分のデータであることに注意しましょう。
周囲の個人投資家が売っているからとそれに流されて慌てて売ってしまうよりも、外国人投資家が買っているところに一緒に乗る、あるいは人と逆の動きをするというのもありかもしれません。

髙木典子

髙木典子

合同会社HAL FP OFFICE代表

証券会社・銀行勤務を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立
個人のマネー相談だけでなく、大学の非常勤講師、専門学校・高校向けの授業、企業向けマネーセミナーや、PTA向けから子供向けおこづかい教室などのあらゆる世代の人たちに向けた金銭教育・投資教育を行い、中立公正な立場からお金についての知識を広げる活動を行っている。

保有資格
ファイナンシャル・プランナーCFP®
証券外務員
DCプランナー

合同会社HAL FP OFFICE

最短10分で申込み完了!
無料口座開設はこちら

ページの先頭へ戻る