安定配当株を考える①業績や株価の変動が小さく、配当利回りが相対的に高い銘柄 安定配当株を考える①業績や株価の変動が小さく、配当利回りが相対的に高い銘柄

安定配当株を考える①業績や株価の変動が小さく、配当利回りが相対的に高い銘柄

2020年の株式市場は歴史的に見ても非常に大きく変動した年となりました。
日経平均株価の年間高低差が11,015円なりました。
昨年は株価の割高感も指摘されていました。一方で各国の大規模金融緩和、財政出動が継続しており、2021年には新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の普及がスタートすることも考えられます。
はたして上値を追えるのか、大きな調整があるのか。
判断に迷っている方も多いのではないでしょうか。
こういったタイミングでは株式の魅力の一つである「配当金」に注目してみてはいかがでしょうか?
そこでカブヨムでは今回「業績や株価の変動が小さく、配当利回りが相対的に高い銘柄」をご紹介したいと考えました。

選定基準

今回は以下の条件で銘柄を絞り込んでいます。
①配当利回り:2%以上
②時価総額:1,000億円以上
変動が大きくなりやすい、小型株を除くため
③予想連結売上高伸率および実績連結優先売上高伸率:-10%以上
決算期ごとに業績の変動が大きい銘柄を除くため
④連結優先自己資本比率(実績):30%以上
財務状況が不安定な企業を除くため
⑤対日経平均β(ベータ)値(180日):0.5以下
株価変動の大きい銘柄を除外するため。

β(ベータ)値とは
個別証券(あるいはポートフォリオ)の収益が証券市場全体の動きに対してどの程度敏感に反応して変動するかを示す数値で、現代ポートフォリオ理論でよく用いられる。
β=個別証券のリターン÷市場全体のリターン
で表される。
例えば、ある銘柄のβ値が1.5ということは、市場全体が10%上昇するとその銘柄は15%上昇し、逆に市場全体が10%下落するとその銘柄は15%下落することを意味する。したがってリスク指標とも捉えられ、市場全体が上昇すると判断する場合は、β値の高い銘柄に投資したり、ポートフォリオ全体のβ値を「1」として市場全体と連動させるなどの運用を行う際、銘柄選択に用いられる。(出典:QUICK)

銘柄紹介

(銘柄情報をご覧になるにはログインが必要です。)

2020年12月30日現在、選定条件に該当した銘柄は27銘柄ありました。

証券コード銘柄名市場配当利回り(%)予想連結
売上高伸率(%)
連結優先
売上高伸率
(実績)(%)
連結優先
自己資本比率
(実績)(%)
対日経平均
ベータ値(180日)
5857アサヒHD東14.421.75.430.70.48
9502中部電東14-8.7135.60.34
9433KDDI東13.860.23.146.80.37
4569キョーリンHD東13.82-1.8-3.272.70.32
9432NTT東13.73-3.40.242.60.33
4544HUグループ東13.6211.3445.40.5
9436沖縄セルラーJQ3.412.91.5830.19
8096兼松エレク東13.26-9.76.874.70.41
3050DCM東12.755.6-1.947.70.32
3167TOKAI HD東12.714.82.340.50.32
3941レンゴー東12.711.94.734.80.48
1766東建コーポ東12.65-4.7-1.652.40.48
2602日清オイリオ東12.59-4-2.852.50.36
5384フジミインコ東12.572.82.786.20.48
9069センコーGHD東12.552.67.634.30.45
9531東ガス東12.52-7.9-1.942.10.42
2296伊藤米久東12.49-3.80.2610.5
9783ベネッセHD東12.49-52.134.70.29
9532大ガス東12.35-2.4-0.245.60.46
8174日ガス東12.285.78.151.5-0.12
6960フクダ電JQ2.25-12.8770.19
1881NIPPO東12.112.53.866.40.42
2004昭和産東12.10-0.7510.17
4768大塚商東12.09-6.416.755.90.41
2001日本粉東12.0702.854.40.35
2269明治HD東12.050-0.154.60.29
4540ツムラ東12.037.11.9680.46

※2020年12月30日現在のQUICKのデータを基に当社で作成。
 配当利回り順に表示

配当利回りが高い順に上位5銘柄を紹介いたします。

アサヒホールディングス (5857)

貴金属をリサイクル・精錬し、資源の有効活用する「貴金属事業」と廃棄物の無害化や適正処理を行う「環境保全事業」からなります。
売上構成では8割以上が貴金属事業となっています。
2020年第2四半期報告書によると貴金属リサイクル分野の売上および営業収益は、貴金属回収量の増加や貴金属価格の上昇により前年より増加しています。
巣ごもり需要でパソコンやゲームの回収が増加したようです。
2022年3月期は自動車需要の回復等も見込まれています。
株価は昨年上昇しているものの、配当利回りは依然高水準にあるといえるでしょう。

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週足表示2020年12月30日まで

中部電力 (9502)

国内3位の電力会社大手です。
主に中部地方を中心に、発電、送電、電力小売りを担っています。
今期はコロナ禍を受けての電力需要の減少から、減収、減益予想となっております。
株価が下落していることもあり、配当利回りは高い水準にあります。

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週足表示2020年12月30日まで

KDDI (9433)

傘下にauブランドを抱える通信大手です。
非通信分野や金融分野にも注力しています。
サブブランドのUQや高単価の5G契約も伸長しています。
一方で携帯料金には値下げ圧力がかかっており、株価は鈍い動きとなっておりました。
財務の安定感もあり、業績の変動も相対的に大きくなく、ベータ値も低水準です。
まさに安定配当銘柄といえるかもしれません。
しかし継続的に設備投資を続けねばならず、5G回線やネクスト5G回線への投資も今後予想されることには注意が必要かもしれません。

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週足表示2020年12月30日まで

キョーリン製薬ホールディングス (4569)

中堅医薬メーカーになります。
創薬ビジネス、医薬品(医療用医薬品、一般用医薬品他)の製造販売を行う「杏林製薬」、医薬品(後発医薬品、一般用医薬品他)の製造販売を行う「キョーリン リメディオ」、医薬品等の受託製造を行う「キョーリン製薬グループ工場」からなります。
新型コロナによる受診需要の縮小や営業活動の停滞で営業益減額となっています。
ベータ値は低水準にあり、配当利回りも魅力的な水準といえるかもしれません。

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週足表示2020年12月30日まで

日本電信電話 (9432)

NTTグループの持ち株会社となります。
Docomoブランドの携帯通信や光回線に高いシェアを持っています。
また固定電話網独占は実質独占しています。
NTTドコモの完全子会社化も話題になりました。
KDDI同様に携帯料金には値下げ圧力がかかっており、いち早くahamoブランドでの新料金を打ち出しております。
やはり継続的に設備投資を続けねばならず、5G回線や6Gなどのネクスト5G回線への投資も今後予想されることには注意が必要かもしれません。

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週足表示2020年12月30日まで

いかがでしょうか。
今回の条件では一般的に「安定株」といわれることの多い、通信株や電力株が数多く該当したと同時に意外な銘柄も多数該当していました。
また、「安定株」を定義することは難しく、タイミングによって企業の状態も変わることから今回の銘柄や条件が普遍的なもとはいえません。
しかし一つの切り口として、参考にしていただけると幸いす。
カブヨム編集部

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