日経平均29年ぶりの高値!ファンド選びのポイントは? 日経平均29年ぶりの高値!ファンド選びのポイントは?

日経平均29年ぶりの高値!ファンド選びのポイントは?

ファンドアナリストの川上です。
日経平均が29年ぶりの高値となりました。このタイミングであらためて、中期と長期での日経平均とTOPIXの値動き、それぞれの指数(インデックス)違いやその特徴を踏まえたファンド選びのポイントについてご紹介します。

日経平均 VS TOPIX①

日経平均が29年ぶりの高値をつけましたが、TOPIXは年初来高値(1月20日の1,744ポイント)に届いていません。
11月11日のTOPIXは1,729ポイント。2018年高値の1,911ポイント(2018/1/23)まではまだ開きがあります。

日経平均 VS TOPIX②

2018年高値からでみるとTOPIXはまだ90%の水準です。一方、日経平均は105%の位置にあり、その差は15%にも広がっています。

日経平均 VS TOPIX③

長期30年でみると、TOPIXは2005年までは日経平均よりも優位な状況となっていました。
その貯金もあり、実は2019年3月まではTOPIXが日経平均を上回るパフォーマンスとなっていました。

日経平均 VS TOPIX④

長期30年のNT倍率(日経平均÷TOPIX)をみると、2005年10月までは、TOPIXが優位な展開となり、それ以降は日経平均が優位な展開になっています。
ソフトバンクグループ(9984)の日経平均採用は2004年10月(当時はソフトバンク)。ファーストリテイリング(9983)の採用は2005年8月です。NT倍率は、これら2銘柄の採用などが要因となって、反転し上昇したといえます。

日経平均とTOPIXの違い

日経平均とTOPIXの違いについては、日経平均は225銘柄に限定され、単純平均をベースに算出されるため、株価の高い銘柄の影響を受けやすいといえます。
一方、TOPIXは東証一部上場の全銘柄(2,100銘柄超)の時価総額で算出されます。時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすいですが、組入1位のトヨタ自動車でも3.4%のため、日経平均と比べて分散された指数といえます。

日本株インデックスファンドでみる日経平均 VS TOPIX

日本株インデックスファンドのレポートでみるとベンチマークである日経平均の配当込みは半年間(5-10月)で+14.7%となりました。
一方、TOPIX配当込みは同+8.9%となっており、その差は5.8%になっています。コロナショック後の上昇局面では、日経平均優位が鮮明となっています。

日経平均とTOPIX それぞれの特徴を生かした投資を考えよう

いまの二極化相場が続くのであれば、TOPIXよりも日経平均の方が優位になる可能性があります。
いまの流れが続くと考えるなら日本株インデックスファンドへの投資は日経平均を選ぶべきといえます。
一方、TOPIXは2,100銘柄以上に分散投資されているので、日経平均よりもリスク(=値動きのブレ)は小さいのが特徴です。
リスクを抑えたインデックスファンドへの投資を目指したいならTOPIXになります。

こうした特徴も踏まえて、日本株インデックスファンドを選ぶ際には、参照している指数が日経平均なのかTOPIXなのかの確認が必要です。

日本株のアクティブファンド(指数を上回る運用成果をめざすファンドなど)においては、直近1年や3年の実績では、TOPIXを上回るパフォーマンスを上げていても、日経平均を下回るパフォーマンスを上げている可能性もあり、日経平均と比べてという視点で、運用実績が良いのかどうかの確認が必要といえます。

日経平均が29年ぶりをつけたいまこそ、指数の特徴を理解することが、パフォーマンス向上につながると考えています。

川上雅人

川上雅人


ファンドアナリスト

中堅証券会社にて日本株アナリストとして2年半経験。大手運用会社で18年間、投資信託のマーケティング業務に従事。2019年11月、カブドットコム証券(auカブコム証券)に入社し、ファンドアナリストとして投資信託、ETF等の情報提供を担当。投資信託を投資家目線でわかりやすく解説することを目指すとともに、投資信託の情報をもとにした投資アイデアを提供。


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