シャープさんのおかげで良いファンドを選びやすくなりました シャープさんのおかげで良いファンドを選びやすくなりました

シャープさんのおかげで良いファンドを選びやすくなりました

シャープさんって誰?

この記事で紹介する“シャープさん”とは、1990年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者、ウィリアム・F・シャープ氏のことです。
学術界だけでなく金融の実務界からも尊敬される金融経済学者です。
実はこのシャープ氏が考案した指標によって良いファンドを選びやすくなったのです。

シャープさん考案、シャープレシオとは

例えば、ある期間のトータルリターンが10%だったファンドAとファンドBがあるとします。
運用にはリスクがつきものですから、これらのファンドも10%のリターンの一方でリスクもありました。
リスクはリターンの振れ幅のことですから、例えば下表のファンドAのリスク12%は±12%値動きがあったこと示します。

(表1)

この表からは、ファンドAよりファンドBの方が小さいリスクで10%という成績をあげたと読み取ることができます。
どちらかを選ぶならファンドBを選びますよね?
このように、リスク対してどれだけのリターンを得られたかをみる指標をシャープさんの名前をとって「シャープレシオ」といいます。
シャープレシオ はリターン÷リスク(※)で計算され、数値が1を超えるとリスクに対して効率良くリターンを得られている運用上手なファンドといえます。

(※)正確には「(トータルリターン - 安全資産の金利)÷リスク」

シャープレシオの使い方

例えばトータルリターンが15%のファンドCがあったとします。
そのリスクは20%でした。トータルリターンがよくてもリスクが大きいとシャープレシオの数値は小さくなります(表2)。
つまりファンドA~Cの中で、ファンドCはトータルリターンが良くても運用効率はAとBに比べて良くなかったことになります。

(表2)

このようにシャープレシオ の数値を見れば運用が上手なファンドかどうかがわかります。
ただし、シャープレシオを参考にするときは、以下の点に注意が必要です。

●同種のファンドを比較する
ファンドは投資対象によって種類が分かれます。シャープレシオは同じような投資対象のファンドを比べる際に有効です。

●期間は少なくても3年以上の数値で比較する
シャープレシオ はファンドの運用成績の覧に記載されています。その成績を計算する期間は1年、3年、5年、10年がありますが、継続して良い成績をあげているのかをチェックするため、3年以上の数字をチェックするとよいでしょう。

●リスクを許容できるか考える
例えばシャープレシオが同じ1のファンドでも、トータルリターン10%、リスク10%でシャープレシオ が1のファンドと、トータルリターン20%、リスク20%でシャープレシオが1のファンドではリスクが大きく異なります。自分が受け入れられるリスクも考慮しましょう。

このようにシャープ氏が考案したシャープレシオは優秀なファンドを探し当てる際に大変役に立ちます。ただし、あくまで過去の成績ですので将来も同じ結果になることを保証したものではないことは覚えておきましょう。

シャープレシオはauカブコム証券の場合、個別のファンド情報画面の「パフォーマンス」という欄で確認できます。

個別のファンド情報画面
執筆者:石川英彦

執筆者:石川英彦


金融デザイン株式会社 代表取締役
愛知県生まれ。南山大学経営学部卒業後、北米大陸をオートバイで周遊。帰国後、保険代理店の手伝いをしたことで金融の世界を知る。その“奇妙”な世界に疑問を感じ「お金に関する情報形成」「売り手と買い手がハッピーになる金融コンテンツづくり」をミッションとした、株式会社マネーライフナビを設立(1996年)。FP(ファイナンシャルプランナー)の実務をこなしながら多数の金融コンテンツ制作を手がける。2017年9月に社名を金融デザイン株式会社に変更。インフォグラフィックスやウェブのデザインまで領域を広げる。持ち味マネーカード(お金占い®)を武器に、失敗しないためのお金の知恵を学ぶ「お金の知恵アカデミー」を展開中。

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