「信託報酬」とは?20年で25万円の差も!? 「信託報酬」とは?20年で25万円の差も!?

「信託報酬」とは?20年で25万円の差も!?

投資信託の保有コスト「信託報酬」とは?

投資信託とは、運用のプロが投資家に代わって投資先を調べて売買などを行う金融商品です。
しかし、本来、投資先を調べて売買を行うのは投資家です。

投資信託では、それらをプロに任せる代わりに、信託報酬を支払います。
これは、仮に元本割れ(損失が発生)しても支払う必要があるものです。

ただし、信託報酬は投資家が別途支払うものではなく、投資信託の「純資産総額に対して〇%」という形で毎日、基準価額から差し引かれます。

基準価額とは、日々算出される投資信託の価額ですが、その価額は信託報酬が差し引かれて表示されています。

信託報酬には、年率0.1%ほどから、年率3%を超えるものまであります。
低い方が投資家には有利なのですが、信託報酬が高くても成績が良い投資信託であれば、信託報酬を支払う価値があるとも考えられます。

ただし、インデックスファンドの場合には、信託報酬は低いものを選ぶことが鉄則です。
インデックスファンドとは、平均株価指数など(日経平均株価やTOPIX、S&P500など)に連動を目指す投資信託です。

例えば、日経平均株価に連動を目指すA投資信託(信託報酬1%)とB投資信託(信託報酬2%)があるとします。
同じ指数に連動を目指すため、運用内容はほぼ同じです。
しかし、信託報酬が低い分、A投資信託を保有する方が解約した際の受取金額が多くなる可能性があります。

同じ指数に連動を目指すインデックスファンドでも、中には信託報酬が年率0.5%以上違うこともあります。
1年で見ればわずかな違いでも、期間が長くなるほど受取金額の差も大きくなるのです。

20年で25万円の違いも!?

信託報酬が年率0.5%違うと、どのくらいの差が出るのか、シミュレーションしてみましょう。

条件は以下の通りです。

・投資金額:100万円(一括投資)
・期間:20年
・想定利回り:5%
・信託報酬:0.1%と0.6%

信託報酬(%) 0.1 0.6
20年後(円) 2,600,733 2,352,414

※本来、信託報酬は日々の基準価額から差し引かれますが、このシミュレーションでは、1年に1度想定利回りの5%から信託報酬を差し引いているため、実際の数値とは異なる可能性があります。

信託報酬が年率0.5%違うと、20年後に約25万円もの差が出ることが分かります。

このように、同じ指数に連動するインデックスファンドなら、信託報酬は低い方が有利になる可能性があるのです。

インデックスファンドを既に保有している方でも、信託報酬を比べずに購入している方が多くいます。
信託報酬についてあまり把握してなかったという方は、この機会にもっと信託報酬が低いものはないか、確認してみるとよいでしょう。

谷口達也

執筆者:谷口達也


大学卒業後、準大手証券会社に就職しリテール業務を行う。会社のノルマをただこなすだけの仕事に疑問を覚え、若手社員ながら支店長に「この商品は儲からないと思うので売りたくないです」と言いにいくが説得され業務を続ける。こんなことを続けて意味があるのか、もっとお客様のことを考えながら仕事がしたい!と考えることが多くなり、大手の証券会社へ転職。しかし2社の経験から、日本の金融機関ではお客様を最優先するのが難しいと感じ、独立を決意。当初はIFAとして活動していたが、自分の目指していた金融サービスを行うには独立系FPが最適であると気づき、活動開始。2020年1月からはYouTubeチャンネルを開設し、中立な立場で金融商品の仕組みや制度の解説を行い、開始10ヶ月で登録者は8,000名を超えた。

<資格>
●CFP®
● 1級ファイナンシャルプラニング技能士(資産設計提案業務)
● 宅地建物取引士

家計のミライFP事務所(HP)>
【大人のためのFP教室】教えて!にぐ先生!(YouTube)>

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