2023年の相場見通し

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謹賀新年

2023年の相場見通し

当社投資情報室より、2023年のマーケットついてご案内いたします。 新年のお取引に是非お役立てください。

2023年の相場見通し特集動画

チーフストラテジスト 河合達憲

予想レンジ

河合達憲

auカブコム証券 投資情報室・室長 チーフストラテジスト
近畿大学大学院・博士前期課程修了。日本で数少ない証券専攻修士号のマスター称号を有する。中堅証券調査部にて調査・情報畑一筋で30数年来、企業調査や投資戦略、投資手法などのストラテジー構築に従事。ファンダメンタルとテクニカルを融合した投資分析を実践しており、各種マネー誌や月刊宝島、夕刊フジ等の銘柄推奨コンペティションでの優勝など各賞を多数受賞した実績により推奨銘柄の的中率の高さは実証済み。マクロ分析から個別銘柄までトップダウンアプローチでの分析力も定評。近著『9割の人が株で勝てない本当の理由』(扶桑社)、最新刊『株の五輪書』(マガジンハウス)など著書多数。毎週火曜夜のauカブコム証券・ストラテジーセミナーが大人気を博し、TV・ラジオにも多数のレギュラー出演する傍ら、2013年度から2021年度まで、大阪国際大学、及び大阪国際大学短期大学部にて大学講師としても登壇。

ネットセミナー「河合達憲の当面のストラテジー」を2009年3月より毎週火曜日夜ネット配信、15年目に突入。開催回数は661回を超え、今なお継続中。Youtubeのauカブコム証券公式チャンネルで放映中。

年始ご挨拶

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は、auカブコム証券・投資情報室をご高配賜り誠に有難うございました。
弊社・投資情報室では、投資情報部門と投資助言部門という2つの担務を担い、その両輪が投資家へのお役に立つべく、日々研鑽を重ねております。

投資情報部門では、YouTubeなどオープンプラットフォームでの情報配信を中心にベテラン層からエントリー層までを網羅した投資情報専門チャンネルによる良質な情報提供に努めております。
また、投資助言部門では、「信用ロボアド」の業務運営を担い、信用取引での銘柄情報の提供を担っております。振り返ると、2022年は両部門ともマーケット同様に苦戦を強いられた年であったと存じます。

2023年新年を迎え、本年も顧客の投資成績に拘った良質な投資情報の提供をモットーに、投資家の投資リテラシー向上に貢献すべく精進を重ね、更なる進化を続けたく存じます。引続きご愛顧の程、宜しくお願い申し上げます。
投資家の皆様方の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

投資情報室 室長 チーフストラテジスト 河合達憲(拝)

『ウサギ(2023年)は跳ねますよ!辰・巳天井は大阪万博へ(24・25年)』
~つまり干支ではここ3年で跳ねて天井に向かって。23年はボラティリティが高い・・!?

(結論)
①コロナ禍丸3年が経過し、各国各様にwithコロナでの生活スタイルと経済活動が定着
②22年はインフレとウクライナへのロシア侵攻が年を通じて先進国経済に多大な影響を与えた
③本年もインフレ・ロシア侵攻のダブルパンチで米国の金融政策は更なる複雑系を示す
④露西亜-宇克蘭戦争の長期化が、中国・北朝鮮の独裁化と中東の先進国離れを進行させた
⑤ベストシナリオを検討すると・・・、露-宇戦争終結、インフレ終息、中国柔軟化、そのベストシナリオにいかに近づくかが23年を読み抜く近道ではないか

ウサギは跳ねる、辰巳の天井(25年万博)まで今年は跳ねる跳ねる

昨年22年は、年初に「米国金融政策に良くも悪くも振り回される1年となり、FRB頼みの日本市場」という予言をさせて頂いたが、まさにFRBによる金融政策に一喜一憂した22年だった。

まずは、お約束の干支の相場格言から。
『辰・巳(たつ み)天井、午(うま)しり下がり、未(ひつじ)辛抱、申・酉(さる とり)騒ぐ、戌(いぬ)は笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)はつまづき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる』
今年(2023年)は卯年で跳ねるということだ。

さて、今回のコロナ禍の起点となる2020年1月30日WHOによる緊急事態宣言発出が、それまでの全ての生活を一変させたことはいうまでもない。子(ね)は繁栄(2020年)は、新型コロナでニューノーマル社会へDX化の波が一気に押し寄せた。我々はライフスタイルの変更を余儀なくされた。
丑(うし)は躓く(つまづく)の2021年はなんとなく躓いたようだったが、本当にまさかまさかの連続となり、2020年のエボックであったオリンピックは2021年に順延され、異例に次ぐ異例がいくつも存在した。但し、2021年9月には30795円という31年ぶりの戻り高値更新を示し、株価的には歴史的な水準に達した年であった。

但し、干支では前年(2022年)の寅は千里を走らなかったが・・・(汗)、ここからの兎跳ね(2023年)・辰巳天井(24・25年)は、大いに期待したい。

~干支の相場格言と相場状況
辰・巳(たつ み)天井 (2012年・2013年) →アベノミクススタート
午(うま)しり下がり (2014年) →年末高も10月まで値幅2500円とこう着
未(ひつじ)辛抱 (2015年) →6月年央高、8・9月急落
申・酉(さる とり)騒ぐ (2016年・2017年) →2年に亘り値幅8500円、10月歴史的16連騰
戌(いぬ)は笑い (2018年) →まさかの12月急落で年末安、年末笑えない下落
亥(い)固まる (2019年) →オリンピック前年でこう着、10月消費増税導入も年末高
子(ね)は繁栄 (2020年) →新型コロナでニューノーマル社会へDX化の波
丑(うし)はつまづき (2021年) →順延オリンピック開催と緊急事態宣言と6波への警戒
寅(とら)千里を走り (2022年) →不況からの回復?
卯(うさぎ)は跳ねる (2023年) →回復基調鮮明?万博景気に向かう?
辰・巳(たつ み)天井 (2024年・2025年) →大阪万博(2025年)でピーク?

年足陽線、4年連続ならず、仕切り直しでいきましょう

コロナ禍は丸3年が経ち、世界各国は各様にwithコロナでの生活スタイルと経済活動が定着しつつある。当然ながら、本格的なオンライン社会の到来だ。今年23年は、ますますオンライン社会が定着し、アベノミクスの三本の矢で提唱された成長戦略の働き方改革が真の意味での改革路線が昇華する年といえるだろう。

図①日本株、ここ32年で学んだこと…!?

この年足陽線は1976年からを起点に示しているが、最も注目して頂きたいのは、1978年からの12年連続陽線だ。
これはいわゆる「80年代バブル」であり。同バブルは不動産価格の高騰が裏付けとなり全ての「価」がつく価格が上昇した期間である。地価、株価、物価、それら価値の上昇が未曽有の景気拡大をもたらせた時期である。
日経平均は1989年12月末に38915円という過去最高値に到達し、その株価は2022年年末で33年経った今でもまだ復活していない。(※日経平均の採用銘柄が当時と入れ替わっているので同過去最高値は基準にならないという議論はまたの機会にしましょう)

実は、小職は80年代バブル育ちであるので、やはりこの12年連続陽線にこだわっている。正確に述べると、12年連続の再来は22年が陰線だったので、再び仕切り直しとなることから、ここから12年連続を記録するなら、2034年まで陽線を続けねばならないので、なかなか根気がいる話となる。
敢えて、タラレバを使うなら、この12年連続陽線に匹敵する連続陽線が、2012年からのアベノミクス・スガノミクス・キシダノミクスのバトンプレイで11年間のうちに形成されていたとみて良いのではないか。
つまり、2012年からの自民党政権復活からアベノミクスはスタートし、2022年までの11年間において、2018年と2022年の2回だけは陰線ながら、長期的な上昇トレンドはほぼ右肩上がりを持続している。本年2023年も当然ながら陽線を想定した右肩上がりのトレンドが期待されている。

やはり、ナスダックの復活がキーポイント、そして米長期金利はピークアウトへ

22年に引き続き、23年もFRBの金融政策に良きも悪きも振り回される1年となるだろう。
マーケットでは、昨年後半辺りから、利上げによるリセッション懸念が米国株の上値を押さえる場面と、利上げ縮小でリセッション懸念が遠のき株価が戻り歩調を試す場面が交互に発生している。23年も恐らくこの両面の動きをしばらくは繰り返しそうだ。

恐らく、利上げ打ち止め、金融政策が中立スタンスとなるまでは、このモタついた動きは続く可能性が高い。昨22年の12月FOMCでは、利上げ幅をそれまで4会合連続0.75%引き上げから0.5%に縮小させた。気の早いマーケットは、利上げ打ち止めとなったかのごとく安心感が広がり、株価急反発を示し、NYダウは昨年8月の戻り高値更新を示したが、それも長くは続かなかった。23年の金利見通しがそれまでの4.6%から5.1%に引き上げられたことを嫌気した売りが再びマーケットを弱気にさせたようだ。来年8回の開催が予定されているFOMCでは、6月まで前半のどこかでの打ち止めが市場コンセンサスとなるまでは、リセッション懸念と利上げ打ち止め楽観が繰り返すと予想している。

図②2023年も、米FRB金融政策に振り回される年!?

左図は米国主要3指標と日経平均の指数化グラフだ。まず、米主要3指標と日経平均は、どの指標がアウトパフォームしているとかのカイリからは離れ、ほぼほぼ収れんしている状態だ。どの指標が飛び出すかは2020年のコロナショックからいち早く立ち直ったナスダックが、どこで急反転するかが注目されよう。

21年11月にナスダックはピークアウトとなったが、1年以上の調整局面を演じていることから、日柄としても底入れ反転については休養充分という状態である。

右図は米10年債利回りのチャートだ。10月4.324%、11月4.220%でダブルトップの形状でピークアウトしたかに見えるが、利上げが打ち止めになったわけではなく、0.5%に縮小しただけなので、たとえ0.25%でも利上げが続く限り完全にピークアウトしたとは言い難い。

政策金利に連動しやすいと言われている米2年債金利も11月4.776%を示してから現在は4.3%前後であり、まだまだ反転する可能性は高い。
特に、23年は米国リセッションがFRBが主導するようにソフトランディングに留まるかどうかが最大の関心事である。特に、1/31・2/1のFOMCでは景気減速に配慮して連続して縮小させ0.25%にするのか、それとも0.5%引き上げを持続するのかが目先の注目点だ。
フェドウォッチでは、23年2月の利上げ幅は0.5%から0.25%に縮小するとの見方が約7割である。
やはり、23年もFRBの金融政策に一喜一憂するマーケットとなりそうだ。

昨22年末の12月20日の日銀決定会合では、それまでの長期金利の変動許容幅±0.25%を±0.5%に拡大した。長期金利は0.25%に張り付いた状態だったので、許容幅拡大により上昇することが見込まれた。黒田総裁が利上げではないと仰せなので、利上げに転じたという言葉は使わないが、各金利は上昇に転じ、ドル安円高、株安が同時に進行した。
長期金利は7年5ヵ月ぶりの高水準で0.470%に上昇し、再び、誘導幅0.5%の上限値に張り付く可能性は高い。4月の黒田総裁の任期満了までこうした政策の見直し等は持続しよう。ちなみに、主要各紙は「日銀が金融の大規模緩和を修正する方針を決めた」と書き立てている。
但し、「行き過ぎた円安」は「通常の円安」に戻ったことを歓迎する声も聞かれ、産業界は概ね落ち着いた状況だ。株式市場も、グロース株売りは拡がっているが、年末のキャッシュポジション売り要因も手伝ったことを考えると、ナイフが床に突き刺さるポイントを見極めているとの想定が正しいのではないか。

平均的な年5000円幅で想定すれば32000円がみえてくる

年間の日経平均のレンジを想定する時に最も重要なのは、値動き幅の想定である。レンジの上限か下限の一方が当たってもあまり意味はないと考えられる。やはり、レンジの上限・下限をピシャリと当ててこそ参考となるというものだ。
その際、レンジの幅をいくらに設定するか決める必要がある。例えば、過去よく動いた年で、日経平均は7000円幅~1万円幅、レアだが18000円幅も動いた年もあった。逆に、あまり動かなかった年は2000円幅~3000円幅程度である。つまり、どれくらい動きそうかを想定することが肝要であるということだ。

平均は概ね5000円幅程度の値動きであることを念頭に入れておくと、レンジ想定には役立つだろう。ちなみに、22年の高安値幅は約4600円だったので、実は至極平均的な値動きだったといえるだろう。21年は同約3600円だったので、実は値動きに乏しく、トレードは難しかった年といえるだろう。

図③年間の動きを脳内に入れておくこと!?

この図は年間の高値と安値の幅を検討する際に有用であると考える。じっくりと眺めて、年間どの程度の値幅を予想するのかを検討して頂きたい。

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(末筆ながら)
前年22年は年末の最後の最後まで、陽線形成(29301円、22年大発会終値)をしつこく追いかけましたね。こういう陽線への固執は、相場の読みを間違うのでご法度なのですが、それもこれも80年代バブルの12年連続陽線を過ごした自分自身の願望ですよね。陽線にならずに年内3万円回復も外してしまって本当に申し訳ございません。精進します。年初のレポートからお詫びとさせて頂きました。

ところで、最近「アナリストの素養」ってなんだろう、ってよく考えます。実は20年ほど前からずっと思っていたことなのですが、アナリストの素養とは、いつもいつも24時間365日、世の中の神羅万象の出来事の全てを投資に繋げる「投資脳」を持っていることだと思います。
日常を過ごす全ての出来事を投資に繋げる「投資脳」。これは天性とかではなく、訓練で構築できると思います。

「投資脳」について紹介すると、投資脳から導き出された昨年の銘柄は、コロナ禍でのキャンプブームでスノーピーク(7816)、海外渡航者の水際対策解除によるインバウンド再燃で日本駐車場開発(2353)、そして、生活スタイルの変化による企業経営力の発揮期待でトリドール(3397)だ。

趣味が高じるとマニア層向けのギア(道具)が一般層に拡がるのは常だ。これをマーケティング用語的にはマス化という。スノーピークは元々マニア層向けの高級アウトドアブランドだ。それがキャンプ熱の高まりによって一般層にも拡がり、今や「スノーピーカー」という造語が生まれるくらいキャンパーには憧れのアウトドアブランドに成長している。
そのキャンプ熱の高まりを一早く投資脳が察知したことでスノーピークという銘柄が導き出された。創業者二代目社長の不倫疑惑の件は、この際、少し目をつむって、同社の製品の良さをキャンパー達が憧れていることに着目しよう。と投資脳は言っている。スノーピーク(7816)

海外からの渡航者を水際の空港で制限する政策が、コロナウィルスの弱毒化によって、制限解除となった。外国人観光客が一気に再開拡大されることになる。訪日外国人は、すでにリピーターが6割を占める。
つまり、訪日観光客は日本が大好きなのだ。特に、訪日観光客は、初回は東京観光が中心だが、リピーターは日本の地方に憧れる。日本観光は「モノ消費」から経験を楽しむ「コト消費」へ。なかでも、日本のスキー場の雪は上質とのこと。外国人観光客は日本でスキーを楽しむ「コト消費」へ。
日本駐車場開発は、単に駐車場経営だけではなく、スキー場開発などに着手している。投資脳がそれを察知した。日本駐車場開発(2353)

規模でいえば、日本の外食チェーンの最大企業は「すき家」を経営するゼンショーHD(7550)だ。二位はマクドナルド(2702)。さて、その牙城に挑むのはうどんだ。そう、丸亀製麺。経営母体はトリドール(3397)。丸亀はうどんで全国制覇を成し遂げたが、次に目をつけている外食ブランドは「立ち飲み」だ。
「晩杯屋」(バンパイヤ)という立ち飲み屋を買収し、拡大路線を目論む。外食の生活スタイルで「立ち飲み」というのは、オヤジ向けの安い飲み屋のイメージがつきまとうが、これがまた楽しい立ち飲み屋なのだ。客層を市場調査すると、カップルや男女数人のグループまでに拡がりつつある。今や、立ち飲み屋はオヤジの聖地ではなくなっている。
そんな立ち飲み屋を全国に生活スタイルとして広めようとしているのだ。恐らく、数年後には、「普通に」立ち飲み屋で合コンが行われているだろうと予見する。これも投資脳が導き出した。トリドール(3397)

コロナ禍で在宅が多くなりペットが癒しになるならアニコムHD(8715)。休日のスーパーマーケットに異常な自動車の列が並んでいたら業務スーパーで神戸物産(3038)。実際に商品を見てお値段以上ならニトリHD(9843)。アナリストの「投資脳」はいつもどこでもマーケットや銘柄のことを考えている。
そんな投資脳がアナリストの素養ではないかと思う。

上述のこれら企業群は、「投資脳」から導き出された銘柄群だ。世の中や生活スタイルを見る目を常に投資に繋げることで、こんなに楽しい「言い訳」をして、「市場調査」と銘打って、楽しい「立ち飲み屋」を徘徊できるのだ。(笑)

ぜひぜひご一緒に「投資脳」の世界へ。今年もいざない(誘い)ますよ。今年は、どんな銘柄を「投資脳」は導き出すのでしょう。ワクワクしませんか。

(執筆・文責 河合達憲 拝)

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