
08/10/24

08/08/29
「多数の人から資金を集め、それを投資の専門家が株式や債券等に投資し、得られた収益を分配・還元する」のが投資信託だと説明しましたが、そのための手法、すなわち運用スタイルもファンドによって様々です。ここでは、主な運用スタイルをいくつか紹介します。
- 【1】アクティブ運用
- 「アクティブ運用」とは、運用成果の基準となるベンチマーク(日経平均株価指数、TOPIXなど)を上回るパフォーマンスを目指すものです。大きく分けて「トップダウン・アプローチ」と「ボトムアップ・アプローチ」の2つの手法があります。
- (1)トップダウン・アプローチ
- 金利や為替、景気など経済環境という広い視点のマクロ分析からスタートし、その見通しに沿って、投資する業種の配分を決めていきます。その後、それぞれの業種の中で魅力的な銘柄を選んでいくという方法です。
- (2)ボトムアップ・アプローチ
- トップダウン・アプローチとは逆に、個別銘柄という一番底辺の部分から、すなわち個別企業の調査、分析によって投資対象となる銘柄を発掘し、ポートフォリオを構築していくという手法です。ファンドマネージャーは自ら企業へ訪問し情報を集めているので、たとえある業界が低迷していても、その中で成長性を感じさせる企業であれば投資していくという訳です。銘柄選択が当たれば利益を最大限に追求することができるため、ファンドマネージャーの手腕が大きく試される運用方法と言えるでしょう。
- 【2】パッシブ運用
- 例えば「インデックスファンド」のように、市場平均並みのパフォーマンスを目標とするのが「パッシブ運用」です。こう説明すると、アクティブ運用に比べ弱気な運用というイメージを持たれるかもしれませんが、アクティブ運用よりもコストも手間も少なめで、それでいてベンチマークに近いパフォーマンスを期待できる運用スタイルです。アクティブ運用はトップダウンにしろボトムアップにしろ、個別銘柄の選択が生命線になりますが、パッシブ運用のポートフォリオはベンチマークの銘柄構成比率と似てくるため、総じてアクティブ運用よりは「ローリスク・ローリターン」と言えます。
- ※インデックスファンド
- 「いかにベンチマーク(TOPIXや日経225などの指数)と同じ動きとなるように運用するか」を最大目標とする投資信託です。前述の通り、そのポートフォリオはベンチマークの銘柄構成比率と似てくるため、銘柄選択を誤るというリスクはありません。これから相場は上昇してくると思うけれど、どの業種や銘柄が伸びてくるかは分からないといった場合は、インデックスファンドから始めてみるのも手ではないでしょうか。
- 【3】グロース運用
- 「グロース(成長株)運用」とは、将来的な成長が見込める銘柄を狙って投資する運用スタイルです。将来の業績予測に基づいて投資するため、見通しが誤れば大きく値下りするリスクもあります。しかし反面大きなリターンも狙えるので、株式投資に近い運用投資スタイルと言えます。
- 【4】バリュー運用
- 「バリュー運用」とは、ある銘柄の現在の利益や資産価値等から株価が妥当な水準よりも割安であると判断すればその銘柄に投資し、将来妥当な水準まで評価されるのを待つ運用スタイルです。現時点では、投資対象と考える銘柄の株価が低い水準にあるのだから値下りするより値上りする確率が高い、という考え方に基づいている訳です。言わば「お買い得」と思われる銘柄に投資する運用スタイルです。
- 【5】システム運用
- その名の通り、人間(ファンドマネージャー)ではなく機械(コンピュータ)で運用するのが「システム運用」です。過去の株価や経済指標等大量なデータとシステムを用い、投資理論に基づいたアセット・アロケーションを作成、最適なポートフォリオを構築していくという運用手法です。ファンドマネージャーの主観が入らずコンピュータの指示通り運用するので、仮にファンドマネージャーが交代したとしても、その能力の差によってパフォーマンスが大きく変化するようなことはありません。ただし、過去に例を見ない急激な変化や特殊事情が発生した場合には対応できないということもあり得ます。よって、システムそのものの優劣がパフォーマンスに影響を与える運用スタイルであると言えるでしょう。
- ※TAA(タクティカル・アセット・アロケーション(戦術的資産配分))
- 投資環境の様々なデータから運用会社独自の資産配分モデルを作り、3つの運用資産(株式、債券、短期金融資産)の中で相対的に割安と判断される資産の組入れを高めた資産配分を行うことでリターンを狙う運用スタイルです。価格変動のリスクを抑え、最適な組入比率を一定の運用ルールのもとで機動的に変更していきます。
「ブラック・マンデー」の際、アメリカの一部の投資機関がこのTAAに基づいて株式の組入れを引き下げていたおかげで暴落の影響を避けられたことから、大きな注目を浴びました。

